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経済学で腹落ち 「人口減少経済」の新しい公式 [--> 書籍紹介]

久しぶりの書籍紹介です。

「人口減少経済」の新しい公式(日経ビジネス人文庫)

「人口減少経済」の新しい公式(日経ビジネス人文庫)

  • 作者: 松谷 明彦
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/11/03
  • メディア: 文庫



私の頭の中にぼんやりと描かれていた数十年先(つまり子供たちが大人になる頃)の日本社会の姿。

それは、現代のように東名阪だの太平洋ベルト地帯(死語?)だのという、特定地域に人も物もカネも一極集中し、それ以外の地域は完全に置いて行かれる社会(実際には、一極集中した中から集められたカネが公共事業のような形でばら撒かれてきたのだと思いますが)ではなく、パワーと元気に溢れた力強いユニークな地方都市が群雄割拠する社会。

そして、一極集中の社会で集団競争という名の列車にみんなが乗り込んで、どこかは知らないけどなにかに向かって目をつぶって周りにあわせて突き進む、まわりと肩がぶつかったら少しだけ押し返したりしながら、そんな狭いところに閉じ込められた鶏や家畜のような窮屈さを感じる社会ではなく、一人一人が「個人」というものに真正面から向き合って、自分はコレに突き進む、彼はアレに突き進む、という、坂の上の雲の時代のように、生き生きと、自らが描いた(誰かに与えられたのではなく)夢と目標に向かって、社会から応援を受けながら歩める社会。

技術は成熟し、人口構造の変化の中で、高度経済成長などは望むべくもなく、企業は倒産し、企業に勤めることのリスクよりも個人で生きることのリスクを選択する人が増え、道路や公共施設は税金不足でメンテナンス費用さえもままならない新設などはできないが、その代りに物を大切にすることが「道徳」ではなく「当り前の経済価値」となり、これまでの時代のおかげで築いてきた道路や空港、港湾などなどの豊かな社会資本に感謝しながら、古くからのものも一層大切にするような社会。

荒々しくなく、獰猛ではなく、静かだけど、金銭的にはきびしいかもしれないけど、落ち着いて、やさしく、暖かく、心を大切に生きることができる社会。

この本を読んだら、そんな社会がどうやら本当にやってきそうです。

「そんな社会がどうやら本当に作れそうです」と書かなかったのが、この本のミソです。
経済学的な各種分析によれば、もはやそれが必然と。
人口構造の変化という基礎的条件がすべてのパラメタに影響を与えていくと、おのずからそんな社会になるそうです。というか、私はそう(ポジティブに)解釈しました。

ちょっと細かい部分はついていけないほど高度で専門的で細かい分析も出てきますが、大枠で論じられているところは目から鱗の部分が多く、私のぼんやり感も確信に近いものに変容していきました。

これからの日本社会はどうなっているんだろう。
わが子が大人になる頃の日本社会はどうなっているんだろう。
この子はちゃんと元気に笑顔で生きていけるのだろうか。
そんな心配を持たれている全国のパパさん、是非時間をみつけてご一読ください。

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