農業のIT化市場はあるのか?ITベンダーの取り組むべきことは? [◆IT時事/SaaS]
今日は、埼玉県情報サービス産業協会(SISIA)主催のセミナーに参加してきました。
SISIAは、今年の地域イノベーションパートナーシップ事業のテーマを「農業のIT化」として取り組んでいますが、中でも、農業法人のIT化、というのがより具体的なテーマとしてクローズアップされています。
たしかに、農業とIT化の先進事例を調べると、圃場が数十あるような農業法人や、大規模作付をしている農事組合などが事例として登場しています。
逆に、個人経営の農家さんの事例などは皆無。
これは、一般企業においても中堅から大手企業のIT活用事例が豊富で、中小企業のIT活用事例が極めて少ないことと同じ構造ですね。
ITベンダーとしても、従来の企業向けのIT個別開発と同じ感覚での対応ができるということでしょうから、農業のIT化という分野は、既に一定の市場があると言えますね。
また他方では、農業分野についてもどんどんと生産性向上・経営力向上の努力が進んでいて、その一つのスタイルが、単一農家が連携して組合や法人化していく動きが従来よりも増えている、あるいは目立っていること。
つまり、既にある市場が拡大しているわけです。
これは、参入を検討するITベンダーが多くあるのも理解できます。
市場はある。
そうなると次に大切なことは、その市場で勝てるか。ということ。
一つは市場規模。
もう一つは競争優位性。
農業法人のIT化の市場規模がどの程度なのか?
ITベンダーにとってイメージしやすいセグメントである、公共・医療・文教・製造・流通・通信、と比較してどうなのか?
厳密に比較したわけではありませんが、直感としてはあまり大きいとは言えませんよね。
今後農業法人が増えていくという拡大傾向にある市場だとしても、少なくとも当面3年程度はあまり大きな動きになりそうにはありません。
そうなってくると、重要になってくるのは競争優位性。
限定されてはいても確実に存在する市場でどのように勝つか。
農業法人に役に立つValueを提示できるかどうかがITベンダーに問われますね。
それでは、競争優位確立のために、ITベンダーはどんなValueを提示する必要があるのか? どんなValueが提示できるITベンダーが勝てるのか?
次のように思います。
1.農業を知らなくてもよい。農業のプロセス化ができるか、KPIの設計ができるかが肝心。
2.操作性・計測方法に革新的アプローチができるか。
1.は、IT化である以上、何をKPIとして計測するのかが極めて重要。
そのために、必要最低限のプロセスを定義して、計測可能とする。これは、経営情報システムとしての王道的アプローチですね。
加えて、農業のどの作業を計測するか、標準プロセスとは何か、それを設計できるヒヤリング能力、洞察力、理解力、構想力があるかどうか、ここが肝心でしょう。
2.は、オフィスワーカーに慣れたPC操作のスタンダードは、農業者にとっては全く役に立たないという前提にたたないといけないということ。とにかく農作業をしている最中はPCなんてさわらない。汚れるし埃まみれだし、おいておくところもない。
プロセスによっては、タイムカードのような機械的計測方法だって可能。なんでも人が手入力すればよいっていうものではない。作業者の作業そのものを計測しなくても、作業者の作業結果としての肥料の残量などを自動計測する方法だってある。
要は、何を計測するかを突き詰めて設計し、それに必要な最適な計測手段を知恵を絞って設計すること。
そんなIT化を進められるITベンダーならこの市場を勝てるのかも。逆に、1.2.が不十分なら、いわゆる「使われないコンピューター」が畑の済みに土埃にまみれてしまうことになると思います。
と、あれこれ考えたことを机上で想像してみましたが、こんな評論は何の役にも立ちません。
結局のところ、実際にそうやって取り組んで成果を出すかどうか。
そういう意味では、今すでに取り組んでいるITベンダーさんだけが勝者になる挑戦権を持っていると言えるのではないでしょうか。
SISIAは、今年の地域イノベーションパートナーシップ事業のテーマを「農業のIT化」として取り組んでいますが、中でも、農業法人のIT化、というのがより具体的なテーマとしてクローズアップされています。
たしかに、農業とIT化の先進事例を調べると、圃場が数十あるような農業法人や、大規模作付をしている農事組合などが事例として登場しています。
逆に、個人経営の農家さんの事例などは皆無。
これは、一般企業においても中堅から大手企業のIT活用事例が豊富で、中小企業のIT活用事例が極めて少ないことと同じ構造ですね。
ITベンダーとしても、従来の企業向けのIT個別開発と同じ感覚での対応ができるということでしょうから、農業のIT化という分野は、既に一定の市場があると言えますね。
また他方では、農業分野についてもどんどんと生産性向上・経営力向上の努力が進んでいて、その一つのスタイルが、単一農家が連携して組合や法人化していく動きが従来よりも増えている、あるいは目立っていること。
つまり、既にある市場が拡大しているわけです。
これは、参入を検討するITベンダーが多くあるのも理解できます。
市場はある。
そうなると次に大切なことは、その市場で勝てるか。ということ。
一つは市場規模。
もう一つは競争優位性。
農業法人のIT化の市場規模がどの程度なのか?
ITベンダーにとってイメージしやすいセグメントである、公共・医療・文教・製造・流通・通信、と比較してどうなのか?
厳密に比較したわけではありませんが、直感としてはあまり大きいとは言えませんよね。
今後農業法人が増えていくという拡大傾向にある市場だとしても、少なくとも当面3年程度はあまり大きな動きになりそうにはありません。
そうなってくると、重要になってくるのは競争優位性。
限定されてはいても確実に存在する市場でどのように勝つか。
農業法人に役に立つValueを提示できるかどうかがITベンダーに問われますね。
それでは、競争優位確立のために、ITベンダーはどんなValueを提示する必要があるのか? どんなValueが提示できるITベンダーが勝てるのか?
次のように思います。
1.農業を知らなくてもよい。農業のプロセス化ができるか、KPIの設計ができるかが肝心。
2.操作性・計測方法に革新的アプローチができるか。
1.は、IT化である以上、何をKPIとして計測するのかが極めて重要。
そのために、必要最低限のプロセスを定義して、計測可能とする。これは、経営情報システムとしての王道的アプローチですね。
加えて、農業のどの作業を計測するか、標準プロセスとは何か、それを設計できるヒヤリング能力、洞察力、理解力、構想力があるかどうか、ここが肝心でしょう。
2.は、オフィスワーカーに慣れたPC操作のスタンダードは、農業者にとっては全く役に立たないという前提にたたないといけないということ。とにかく農作業をしている最中はPCなんてさわらない。汚れるし埃まみれだし、おいておくところもない。
プロセスによっては、タイムカードのような機械的計測方法だって可能。なんでも人が手入力すればよいっていうものではない。作業者の作業そのものを計測しなくても、作業者の作業結果としての肥料の残量などを自動計測する方法だってある。
要は、何を計測するかを突き詰めて設計し、それに必要な最適な計測手段を知恵を絞って設計すること。
そんなIT化を進められるITベンダーならこの市場を勝てるのかも。逆に、1.2.が不十分なら、いわゆる「使われないコンピューター」が畑の済みに土埃にまみれてしまうことになると思います。
と、あれこれ考えたことを机上で想像してみましたが、こんな評論は何の役にも立ちません。
結局のところ、実際にそうやって取り組んで成果を出すかどうか。
そういう意味では、今すでに取り組んでいるITベンダーさんだけが勝者になる挑戦権を持っていると言えるのではないでしょうか。
2010-08-23 23:32
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